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相続に必要な書類一覧

相続に必要な書類一覧|戸籍・遺産分割協議書・相続登記・相続税申告まで

最終確認日:2026年7月2日
本記事は一般的な相続手続きの概要をまとめたものです。個別の事案では、提出先の金融機関・法務局・税務署・家庭裁判所によって必要書類が異なる場合があります。

相続手続きでは「相続人」と「取得者」を書類で証明する

相続が発生すると、預貯金の解約、不動産の名義変更、相続税申告、生命保険金の請求など、複数の手続きが必要になります。これらの手続きでは、単に「家族である」と説明するだけでは足りず、戸籍謄本、遺言書、遺産分割協議書、印鑑証明書などによって、亡くなった方との関係や財産を取得する人を客観的に証明する必要があります。

相続書類の準備で重要なのは、主に次の4点です。

  1. 被相続人が死亡した事実
  2. 法定相続人の範囲
  3. 誰がどの財産を取得するのか
  4. 本人確認と実印による意思確認

提出先ごとに細かな違いはありますが、まずは共通書類を早めに集め、その後に不動産・預貯金・税務・家庭裁判所手続きなど、目的別の書類を追加していくと整理しやすくなります。

まず集めたい基本書類

相続手続きの出発点は、戸籍関係書類の収集です。一般的には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、被相続人の住民票除票または戸籍附票、相続人全員の現在戸籍などが必要になります。

法務局の相続登記案内でも、被相続人について出生から死亡まで在籍していたすべての戸籍・除籍謄本等が必要書類として案内されています。
参考:法務局「相続登記の申請書様式・記載例」

書類主な用途
被相続人の出生から死亡までの戸籍一式法定相続人の確定
被相続人の住民票除票・戸籍附票最後の住所や登記簿上の住所の確認
相続人全員の戸籍謄本相続人が現在も生存していることの確認
相続人の印鑑証明書遺産分割協議書・金融機関手続きで使用
遺言書または遺産分割協議書財産を取得する人の確認
財産資料預貯金、不動産、有価証券、保険金などの確認

なお、令和6年3月1日からは戸籍証明書等の広域交付制度が始まり、本籍地以外の市区町村窓口でも、戸籍証明書や除籍証明書を請求できるようになっています。遠方の本籍地へ個別に請求する負担が軽くなる場合があるため、戸籍収集の際には利用を検討するとよいでしょう。
参考:法務省「戸籍法の一部を改正する法律について」

法定相続情報一覧図を活用すると手続きが効率化できる

複数の金融機関や法務局で相続手続きを行う場合、毎回大量の戸籍一式を提出するのは大きな負担になります。そのような場合に活用できるのが、法務局の「法定相続情報証明制度」です。

この制度では、相続人が戸除籍謄本等と相続関係を一覧にした「法定相続情報一覧図」を法務局へ提出し、登記官の認証文付きの写しを受け取ることができます。認証文付きの写しは、戸籍謄本等の束の代わりとして、相続登記、預貯金の相続手続き、相続税申告などに利用できる場合があります。
参考:法務局「法定相続情報証明制度」
参考:法務局「法定相続情報証明制度の具体的な手続」

特に、相続財産が複数の金融機関に分かれている場合や、不動産登記と相続税申告の両方が必要な場合には、早めに作成しておくと手続き全体を効率化しやすくなります。

遺言書がある場合に必要な書類

遺言書がある場合は、原則として遺言書の内容に従って手続きを進めます。ただし、遺言書の種類によって必要な確認が異なります。

公正証書遺言であれば、通常、家庭裁判所の検認は不要です。一方、自宅などで保管されていた自筆証書遺言は、家庭裁判所での検認手続きが必要です。裁判所は、遺言書の検認申立てに必要な書類として、申立書、遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本などを案内しています。
参考:裁判所「遺言書の検認」

ただし、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用して保管されている遺言書については、相続開始後の家庭裁判所での検認が不要とされています。自筆証書遺言が見つかった場合は、まず「自宅保管なのか」「法務局保管なのか」を確認しましょう。
参考:法務省「自筆証書遺言書保管制度」

遺言書がない場合は遺産分割協議書を作成する

遺言書がない場合、相続人全員で話し合い、誰がどの財産を取得するかを決めます。この話し合いの結果をまとめたものが「遺産分割協議書」です。遺産分割協議書には、相続人全員が署名し、実印で押印するのが一般的です。あわせて、相続人全員の印鑑証明書を添付することで、本人の意思に基づく協議であることを示します。

全国銀行協会も、遺産分割協議書がある場合の預金相続手続きに必要な書類として、法定相続人全員の署名・捺印がある遺産分割協議書、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍、相続人全員の戸籍謄本、相続人全員の印鑑証明書などを挙げています。
参考:全国銀行協会「預金相続の手続に必要な書類」

金融機関ごとに所定の相続届や委任状などが必要になることもあるため、実際の手続きでは各金融機関へ事前に確認することが大切です。

不動産がある場合は相続登記の書類を準備する

相続財産に土地や建物がある場合は、法務局で相続登記を行います。令和6年4月1日から相続登記は義務化されており、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。正当な理由なく申請しない場合、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。義務化前に発生した相続も対象です。
参考:法務省「相続登記の申請義務化について」
参考:法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」

相続登記では、登記申請書、被相続人の戸籍一式、住民票除票または戸籍附票、相続人の戸籍、不動産を取得する相続人の住民票、遺産分割協議書または遺言書、相続人の印鑑証明書、固定資産評価証明書などを準備します。登録免許税の計算には固定資産評価額を用いるため、評価証明書や固定資産税課税明細書も確認しておきましょう。

相続税申告が必要な場合の書類

相続税申告が必要な場合は、税務署へ提出する申告書に加え、財産や債務を証明する資料を整理します。相続税の申告と納税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。提出先は、原則として被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署です。
参考:国税庁「相続税の申告と納税」
参考:国税庁「相続税の申告のために必要な準備」

主な資料としては、預貯金の残高証明書、不動産の登記事項証明書、固定資産評価証明書、土地評価に関する資料、有価証券の残高証明書、生命保険金の支払通知書、借入金残高証明書、未払医療費、葬式費用の領収書などがあります。

令和8年1月1日から令和8年12月31日までに亡くなられた方に係る相続税申告については、国税庁が「相続税の申告のしかた(令和8年分用)」を公表しています。また、令和8年分用から相続税申告書の様式が変更されているため、該当する年分の様式を確認する必要があります。
参考:国税庁「相続税の申告のしかた(令和8年分用)」
参考:国税庁「相続税の申告書等の様式一覧(令和8年分用)」

借金が多い場合は相続放棄の書類も確認する

相続財産より借金が多い場合や、財産状況が不明な場合には、相続放棄を検討することがあります。相続放棄をするには、家庭裁判所に申述しなければなりません。申述期間は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内です。
参考:裁判所「相続の放棄の申述」

相続放棄の主な必要書類は、相続放棄の申述書、被相続人の住民票除票または戸籍附票、申述人の戸籍謄本です。申述人が配偶者、子、親、兄弟姉妹など、どの立場にあるかによって追加の戸籍が必要になるため、家庭裁判所の案内を確認しながら準備しましょう。

まとめ:相続書類は「共通書類」と「財産別書類」に分けて準備する

相続に必要な書類は多岐にわたりますが、まずは戸籍、住民票除票、印鑑証明書、遺言書または遺産分割協議書といった共通書類を集めることが出発点です。そのうえで、不動産があれば相続登記の書類、預貯金があれば金融機関所定の書類、相続税申告が必要であれば財産評価資料や債務・葬式費用の資料を追加で整理します。

特に、不動産がある場合は相続登記の3年以内の義務、相続税がかかる可能性がある場合は10か月以内の申告期限、借金が多い場合は3か月以内の相続放棄期限に注意が必要です。書類収集には時間がかかるケースも多いため、相続発生後はできるだけ早い段階で、司法書士・税理士・弁護士などの専門家へ相談することをおすすめします。

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